いつかのはなし

観劇日記

20200206

 

‪昨年3月に観劇した舞台のカーテンコールで、ある俳優さんが「舞台はとりこぼした日常を拾い集めるようなもの」*1というようなことを仰っていた。当時の私にとって舞台は非日常体験をする場所であり、観劇は現実逃避でもあったのでピンとこなくて、でもとても印象に残った言葉だった‬。

昨日その言葉をふと思い出した。この1年、自分の価値観や日常生活とリンクする舞台をよく観たせいか、今はその感覚が少し理解できるなあと思った。観る側ではなく演じる側として発した言葉だったのかもしれないし、意図する通りに理解できてはいないだろうけど。

現実逃避した先で遭遇した自分の日常は、たいてい今まで思考や言語化を無意識のうちに避けてきたことばかりで(それがどうしても目についてしまうというだけかもしれない)、きっと今までの自分だったら他人事として眺めていたであろう舞台を自分事として眺めてしまうことも増えて、その度にちょっと憂鬱な気持ちになったりする。でも、その舞台が与えてくれたきっかけと気付きが、面白い演劇体験の記憶と共にちゃんと自分の財産になっていると思う。

‪結局何が言いたいのか自分でもよく分からなくなってきたけど、舞台=非日常ばかりではなく、舞台=日常の一部となったことが、私の中で大きな変化だったのでは?と考えはじめたら長くなってしまった…というだけでした。今年はどんな舞台との出会いがあるのかなあ。

 

*1:一言一句正確ではない